不眠症を予防するには
不眠症を予防するためのポイントは『リズムをつける』ということにあります。毎日のリズムを出来るだけ一定の時間で確保することで人間の健康は守られやすいと一般的には考えられています。不眠症で言えばまず最も大事なのは睡眠のリズムですね。大体で構わないので夜は何時には寝る、朝は何時には起きるということを決めるようにしましょう。そうすることで体がリズムに従うようになります。
体を自分が決めた睡眠のリズムに合わせるために有効なのが朝起きたらカーテンを開けるということです。カーテンを開けて日の光を入れることで脳も起き出して活動をする準備を始めます。冬の間は電気など何か明るいものにまずは目を触れさせましょう。また、それに対して眠るときは出来るだけ間接照明なども消して真っ暗な状態で眠った方がよいです。
そのほかに『食事のリズム』をつけることも不眠症の予防に繋がります。不眠症の原因ともなる自律神経ですが消化の際にも働いています。食事のリズムを整えることで自律神経はいつ自分が働けばいいのかがわかって、眠る際にもバランスを乱しにくくなっていきますので食事は1日3回、出来れば決まった時間に摂取するように心がけてください。
その他のポイントとしては運動、ストレッチ、寝る前のカフェイン摂取をしない、アルコールに注意するなど小さなことが多いですがどれも大事なポイントです。日常生活の小さなことから変えていくことで不眠症は改善していきます。そして、日常生活の改善と共に服薬やカウンセリング治療なども上手に利用する、というスタンスで治療を勧めていくと上手く行きやすいです。
冬は不眠症になりやすい?
夏と冬、どちらが不眠症になりやすいかと言われたら冬です。冬に不眠症になりやすい背景には日照時間があります。日照時間が人間の体や脳に様々な影響を及ぼすことによって冬には不眠症になる人が多く出やすいのです。また、不眠症だけではなくうつ病も冬になる人が多く、冬だけうつ病になる『冬季うつ病』を患っている人も少なくありません。
冬は夏に比べて日照時間が短いです。特に北国では午後4時にもなるとすっかり外は真っ暗になってしまいますし、朝は6時ではまだ明るくならないということもあります。このように日照時間が短くなるとまずは睡眠リズムに影響を及ぼしやすくなるのです。
人間の脳は目から光を浴びると『朝だな』と気づきます。睡眠リズムの乱れを直す治療ではこれを利用して朝起きたらカーテンを開けたり、治療施設では起きる時間に強い光を当てます。すると自然と起きられるようになるのです。ですが日照時間の短い冬の朝には起きても真っ暗で光を十分に浴びることが出来ないため脳も判断しかねるのです。今は朝なのか?それとも夜か?と人間の脳が季節に合わせて上手く働けなくなると日中にも眠さが続いたり、夜に起きるようになったりと徐々に睡眠リズムが乱れ不眠症が始まります。
もうひとつ、日照時間の少なさはストレス性の症状を引き起こしやすくさせます。人間の心を落ち着かせる成分として注目されているセロトニンは太陽の光を浴びることでも活性化されることで知られています。冬は日照時間が少ないのでセロトニンの分泌量も少なく、神経の高ぶりなどにも上手に対応できなくなってしまいます。そこに前述の睡眠リズムの乱れが重なると不眠症になってしまいますね。
不眠症になりやすい体質の方は特に冬には気をつけて頓服薬などを飲むのもひとつの方法です。また、秋頃からいつもよりも注意して栄養バランスや運動習慣などに気をつけることで冬季の不眠症は防ぐことが出来るので是非色々と策を講じてみてください。
不眠症に良い食べ物
不眠症を治すには食事のバランスがポイントです。栄養バランスを考えながら食事を摂ることで体も脳もバランスが良くなり不眠症が改善することも十分ありうる話なのです。特に栄養バランスの面から見ると野菜が日本人には絶対的に足りていないので野菜を摂取するのはお勧めですが、他にもいくつか不眠症に良い食べ物があります。
まず1つ目は牛乳です。イライラするならカルシウムを取れ、と昔の人は言いましたがカルシウムには科学的に見ても神経の高ぶりを抑え、冷静さを取り戻してくれる働きがあります。また、牛乳にはセロトニンという成分が含まれるのが特徴です。セロトニンはうつ病治療などにも使われるもので、感情の調整をしてくれます。イライラしてどうしようもないときは落ち着きを、沈み込んでいるときには少し神経を高ぶらせてくれます。不眠症の時には体や脳を落ち着かせてくれますので牛乳を飲むのはお勧めです。寝る前にホットで飲むとよいでしょう。
次にリンゴです。リンゴは成分というよりは匂いが不眠症に対して効果があると言われています。リンゴの香りには精神安定効果があるため、枕元にリンゴを置いて寝たり、リンゴの匂いのミストなどを使用するのもよいと思います。夜におやつを食べるときにも他の食べ物よりもりんごがお勧めです。就寝する2時間以上前に摂取するようにしてください。
ストレス性の不眠症を抱えているのであれば硫化アリルの含まれる食物を摂取することをお勧めします。硫化アリルは日中の疲労を寝ている間にしっかり回復して次の日に備えてくれる栄養素です。また、同時に同じように疲労回復効果のあるビタミンB1を含む食べ物を摂取するとよいでしょう。硫化アリルが含まれるのはたまねぎ、長ネギなどで、ビタミンB1が含まれるのは豚肉やナッツ類です。
不眠症と睡眠障害の違い
不眠症と睡眠障害はよく似た言葉です。どちらも睡眠に関する問題が起きているという点は同じです。ですが睡眠障害はもっと多くの意味を含んだ言葉で、不眠症は睡眠障害の中の1つの病気と考えることが出来ます。ここれは睡眠障害とは何なのか、その中には不眠症のほかにはどんな病気があるのかということについて見ていきましょう。
睡眠障害の本来の意味は睡眠に不便を感じる、睡眠に何らかの問題が起こっている状態ということです。不眠症のほかには過眠症、ナルコレプシー、睡眠時髄伴症などがあります。特に不眠症と近い関係にあるのが過眠症です。過眠症は不眠症とは全く逆の症状で、寝ても寝ても寝続けてしまうという病気です。過眠の方はどうしても起きることが出来ず、1日に13時間も14時間も寝てしまうということも珍しくはありません。症状は真逆ですがストレスなどで起こりやすいという点で不眠症とよく似ています。
また、テレビなどでもよく特集されるのがナルコレプシーという睡眠障害です。ナルコレプシーは脳疾患の一種で睡眠発作という症状が出ます。何をしていても突然眠くなりその場で寝てしまうという病気です。上手く付き合うことが出来ないと車の運転などは難しいですし、社会生活を送れない場合もあります。ナルコレプシーの方には悪夢を見る方がとても多いようです。
そして、子供に多く見られるのが睡眠時髄伴症と言われるもので代表的なものは夜驚症や夜尿症です。どちらの病気もホルモン分泌や体の発達、神経の発達と深い関わりがあるためおおむね小学校高学年になると治っていることが多いです。心配な場合は医師の下で生活指導や適切なカウンセリング、治療などを受けてみるとよいでしょう。
不眠症にストレッチがいいの?
不眠症の治療に有効といわれるのが運動。運動は体をほぐし適度に疲労させる効果があるので眠りを誘いやすいです。定期的な運動習慣を持つことで不眠症以外にもストレス性の病気を防ぐことも出来ますし、人によっては生活習慣病の予防にも繋がるので運動週間を作っておいて損ということはまずないと考えられます。そして、もうひとつ不眠症に良いといわれているのがストレッチです。
ストレッチはあまり体や心の緊張感を作り出すものではないので寝る前にやっても大丈夫です。ただ時間が長いと徐々に体は緊張して眠りにくくなるので5分から長くても10分くらいの間で行うように注意して下さい。ストレッチのやり方はまずリラックスするところから始まります。ゆっくりと深呼吸して心を落ち着けましょう。鼻から大きく吸って口からゆっくり吐くようにするとリラックスできるはずです。
ある程度リラックスしたら肩をゆっくり回したり足を広げたり自分なりに体のスジを伸ばすようにしながらストレッチしてみて下さい。色々な方法がありますので自分の好きなものを組み合わせてもいいですし、仰向けになって練る準備万端の状態で少し手を広げたりするだけでも構いません。大事なのは心を落ち着けて体をリラックスさせることです。
ストレッチの最後にはもう1回深呼吸をして下さい。ストレッチの最中はなるべく何も考えずに日常生活から自分を切り離すようにしましょう。ストレッチは数ある不眠症の中でも入眠障害に効果的と言われています。寝つきが悪い、なかなか眠ることが出来ないと悩んでいる方は一度ストレッチをやってみるとよいでしょう。部屋の明かりを薄暗くしたり、間接照明を利用しながらやると目も徐々に眠りに入りやすくなるのでお勧めです。
ストレスで不眠症になる?
ストレスは不眠症の大きな原因と考えられています。不眠症の原因は複合的ですがほとんどがストレスも絡んでいるのではないかと考えられています。育児ストレス、学業のストレス、仕事のストレス、人間関係のストレスなど人が抱えるストレスは様々です。ストレスと上手く付き合い、日常生活に影響が出ない程度であればよいのですが時にストレスは人を疲れさせます。その現れ方のひとつが不眠症です。
ストレスで不眠症になる仕組みには緊張状態が関わっています。人はストレスを抱えると常に体も心も緊張しています。何かあるんではないかと不安になっていたり、考えすぎて疲れていてもまだ緊張している感じですね。このような状態ではリラックスして眠ることなど出来ません。心理的な不安は睡眠にも、その他の日常生活にも大きな影響を及ぼします。
そして不眠症とストレスの中でも恐ろしいのが不眠に対するストレスです。元々は全く別のことでのストレスが原因で不眠症を起こしていてもやがて不眠に対する恐怖感がストレスになって不眠を引き起こすことがあります。例えば『今日も眠れなかったらどうしよう』『もう眠れないんだ』という風に眠る時間が近づくにつれ不安になり緊張してしまいます。そして緊張した結果実際に眠れないという日もあるでしょう。すると『やはり眠れなかった』と更に緊張をあおってしまうのです。
不眠に対する恐怖を取り除いたり、日常のストレスを解消するのに薬物やカウンセリングの力を借りる方法は有効です。一時的にでも安心して眠れば緊張もほぐれて疲れも取れるのでストレスと向き合うことも出来ます。カウンセリングでストレスとの付き合い方を自分なりに発見することが出来れば似たようなストレスに出会っても冷静に対処できるはずです。
不眠症と更年期障害について
更年期障害はホルモンバランスが乱れることによって起こる更年期独特の様々な症状です。特に女性に多く見られると言われていて、イライラ感やホットフラッシュなど全身に症状が現れることも特徴の1つです。更年期のホルモンバランスの乱れは、実は睡眠障害や不眠症とも大きく関わっているといわれています。
女性ホルモンにせよ男性ホルモンにせよホルモンバランスが乱れると神経に影響を及ぼすことがわかっています。自律神経にもホルモンバランスの乱れの影響は来るので正しい睡眠時間を維持できなくなりがちです。元々不眠症気味、不眠症になりやすい体質などがある場合は更年期障害をきっかけにして不眠症を起こしてしまう場合も少なくありません。
また、更年期障害のほてりやのぼせを感じるため夜中にしょっちゅう起きてしまい、不眠症となるという人もいます。発汗異常も更年期障害の代表的な症状ですから、十分に注意することが必要です。そして、更年期は1ヶ月2ヶ月で終わるわけではないので治療をきちんとしないと不眠症もどんどん悪化していきますし、更年期障害もどんどん悪化していきます。
更年期障害の基本的な治療は女性の場合は婦人科が望ましいです。更年期障害についての知識のある医師が他の科よりも多いですし、女性特有の様々な症状にも対処できる可能性が大きいからです。不眠症の件も一度婦人科で話してみるとよいでしょう。その結果、心療内科などでの専門的な治療が必要になる場合もあるかもしれません。男性の場合はまずは内科、不眠症の症状の方が気になる場合は心療内科を受診しましょう。
不眠症とコーヒーの関係
不眠症の方がやらない方がいいことのひとつが眠る前のコーヒーです。コーヒーにはカフェインが含まれており、カフェインには覚醒作用があるので不眠症の方が寝る前に飲んでしまうと入眠に影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。もちろん、入眠障害タイプの不眠症以外の中途覚醒などにもカフェインは影響するので注意してください。
また、コーヒーに関して言うと割と日常的に飲んでしまっている人が多いのも事実です。コーヒーを常に飲んでいるとカフェインに対して耐性がつき、眠気を覚ますにはより多くのカフェインを摂らなければならないという事態が発生します。仕事などで眠気を覚ますために多くのコーヒーを飲むと自律神経が徐々に乱れ始めてしまう人もいるのです。
自律神経は睡眠とも関わりのある神経です。自律神経は交感神経と副交感神経のスイッチを変えることで人間の体の動きを調整しています。睡眠やリラックスと関係のある神経は副交感神経ですがカフェインをいつも摂取していると交感神経が優位になり副交感神経が働きにくくなってしまいます。ですので常に神経を張っている状態になり、眠れなくなるだけではなく例え眠っても浅い眠りしか出来なくなってしまうのです。
日常的にカフェインを摂っている方は不眠症治療をするのであればカフェインの量を減らす、またはカフェインを摂取するのをやめるようにしてください。飲む場合も寝る前に飲むのではなく朝一番など睡眠とは関係のないときに飲むようにしてくださいね。ちなみにカフェインはコーヒーで一番知られているかとは思いますが紅茶、緑茶などにも入っているので注意してください。
不眠症は完治する?
不眠症に悩まされると必ず感じるとも言われるのが『完治するのか?』という疑問です。確かに体の外側に出来る怪我とは違って不眠症の病態は見えにくいという現状があります。そして薬物治療だけではなくカウンセリングや指導を通して本人が努力しなければならない部分も多くあります。努力することに疲れてしまう人も多くいますし、完治への疑問が生じるのも当然のことのように思います。
結論から言うと不眠症は完治する人も多くいます。完治の基準にもよりますが日常生活を問題なく送り、不眠症をしっかり治して健康な生活を送っている方は多くいるのです。不眠症になったと思われる原因や治療までの期間の過ごし方など様々な要因によって治療期間、方法は違いますが完治する人もいるのでそれほど心配しないでください。
では完治しない場合はどうなるのか?となると完治しなかった場合は寛解と呼ばれる状態になる人がほとんどなのです。寛解とは現在症状が出ていないが何らかの状態になると症状が出る可能性があるということです。不眠症に関わらず精神科関連の病気ではよく使われる言葉です。寛解状態だと食生活の乱れ、運動習慣の乱れ、ひどいストレスにさらされるなど、何らかの状況によってはまた不眠症が再発する恐れがあるということです。
ただし、寛解の場合にも不眠症とうまく付き合うことは可能です。時には頓服薬で対処したり、カウンセリングなどを利用することもあるとは思いますが、治療のときほど頻繁に病院に行かずとも不眠症と付き合っていけます。ある程度体質的な面、遺伝的な面も不眠症には関わっているので少しだけ気を遣いながら上手くやって行くことを考えるのもひとつの方法だと思います。
不眠症にはお茶がいい?
寝る前に刺激物を摂取するとなかなか眠れなくなりますね。体の中では神経が興奮していて、脳を眠りにつかせまいと働いているのです。どうしても夜起きていなければならないときなどはコーヒーを飲む方もいると思います。コーヒーや各種のお茶に含まれるカフェインは覚醒作用があることでも知られているので不眠症の方にはあまりお勧めしません。
一方で不眠症によく効くと言われるお茶もあります。それがハーブティーです。ハーブティーはリラックスを促す効果があるので不眠症の方の緊張やストレスを緩和できます。特にアロマテラピーでも不眠症への治療に対する注目が集まっているカモミールのハーブを利用したお茶は神経を落ち着けることで知られています。そのほかに様々なハーブをブレンドしてもよいですし、自分なりに匂いなどをかぎながら決めていくのも重要なポイントと言えそうですね。
不眠症をお茶だけで治すことはもちろん不可能ですが大きな手助けになってくれるのは事実です。アロマテラピーと同じようにハーブティーも日常生活からほんの少しだけ切り離される時間を作ってくれます。ストレス源から少しでも離れられると徐々に冷静に物事を考えることが出来るという側面もありますから、お茶を就寝前に少し飲んでおくという方法はかなり有効です。
ハーブティーに関しては、専門店のほか、最近では一般的なスーパーのお茶売り場などでも見かけることが出来るようになりました。ハーブをそのまま使う場合は一度水洗いしてからポットに入れてください。冷やして飲む場合はあまり冷たくしすぎず、常温かそれよりも少し冷たいくらいのほうが飲みやすいでしょう。それほど高くはありませんし、一度は試してみてもよいのではないでしょうか。
